2013年3月5日火曜日

TVは冬の時代?ー再び

世論を騒がす問題発言と視聴率(人気)の関係はかくも複雑。日米双方で似たようなニュースが出たので、備忘録的に...

苦情が殺到した『テッド』のセス司会のアカデミー賞、視聴率と世論は比例せず
- シネマトゥデイ via @cinematoday
 全米で約4,030万人が視聴し、3年ぶりに4,000万人の大台を突破した第85回アカデミー賞授賞式。一方で、司会を務めたセス・マクファーレンが 飛ばした人種や性に対する辛口ジョークには、一般視聴者はもちろん、人権団体からも抗議や苦情が多数寄せられ、セスのジョークが広くは受け入れられなかっ たことが明らかになっている。
(シネマトゥデイ本文より)

「怒られない番組が、視聴者が求めてる番組とは限らない」
お笑いコンビ・ロンドンブーツ1号2号の田村淳が、放送倫理・番組向上機構(BPO)の役割について「放送倫理・番組向上機構を設けてから、番組って本当に向上してきたのだろうか?」 (中略)

 「怒られない番組が、視聴者が求めてる番組とは限らない…テレビ関係者が視聴者に向けて作りたい気持ちをフルスイング出来る場所が必要なのでは?」

 若者を中心にテレビ離れが深刻化している現状だけに、本当に視聴者が求める番組作りのあり方が問われている。
(ニコニコニュース本文より)


視聴者のマジョリティーが見たいと思っているものが往々にして一部の人間が不快に感じることが多々あるというのうは厳然たる事実ではないだろうか?
言論、表現の自由と同様に苦情を言う自由もある。どこで線引きするかという難しさ。結局のところ、適度に問題を喚起することで社会的な許容範囲は何となく決まっているんでしょうね。

なんてテレビを憂いている間になかなかすごいニュースが飛び込んできました...
ネットとテレビの対立は言われて久しいけれど、諸外国では着々と進んでいます。
テレビは冬の時代?

米国テレビ業界を震撼させたネットドラマ
監督:デビッド・フィンチャー。主演:ケビン・スペーシー、「時間帯の制限もなし。視聴率も関係なし。スポンサーに気を遣うこともなければ、コマーシャルで話が中断される心配もない

日本では米国ほどPCが普及していないしという前提があるとしても、これはすごいニュースです。Vシネマと言う文化もあったわけですから、日本から生まれても良かったかも。レンタル市場は完全にT屋が席巻しているとはいえ、スマフォやタブレットでの視聴が伸びれば日本も一気に変わるのかも。

にしても13話で100億の予算はすごいな。さすがに日本ではそんな予算は組めない...

でもちょっと計算してみましょう。超ざっくりで細かい要素を省いてます。

2700万人(会員数)x$8(月額)x12ヶ月で年間約2300億。
番組のほとんどが映画の二次使用なのでソフト制作費はこれ以外にない。
会社が若いのでオーバーヘッドも少ない。
それでも60分のTV映画と考えればアメリカの平均的な劇場公開作品の予算と比べればかなり低予算ですね。TV映画としては相場くらいかも(要精査)


で、某国の国営放送はちなみに
4000万(会員数)x1200(月額)x12ヶ月で約5700億円
というキラー放送局です。こちらは二次使用では売りまくり、権利関係ぼろ儲け、ただ問題は創立から長いのでオーバーヘッドが超高コスト。
一本あたりがどのくらいで作られてるのかわかりませんが、ドラマのクオリティーはまったく負けてないと思いますけどね。



翻って再度作り手側としての視点...

TBSメディア総合研究所代表の氏家夏彦氏のブログです。
テレビがつまらなくなった理由(氏家)
前述したように「視聴率をとれ」、「番組をハズすな」、「問題は起こすな」、「金をかけるな」は、経営として正しい判断だ。判断というより当たり 前、当然のことだ。しかしそれを実現するために、現場にどのような指示を出すのが正しいのか。そのまま伝える事で逆の効果が発生し、負のスパイラルに落込 むのであれば、その指示は間違っていることになる。そこで頭をひねることが大切なんじゃないか、と思う昨今です。(あやとりブログ氏家夏彦より抜粋)


でこの文章に対して某局の某カリスマPがこのように書き込んでいました。

そもそも「視聴率をとれ」、「番組をハズすな」、「問題は起こすな」、「金をかけるな」というのは、”無理難題とも言える要求"なんだろうか?
製造業の世界で「売れるものを作れ」「ヒットさせろ」「不良品は出すな」「コストを抑えろ」と言って、誰が「それは無理難題だ!」と突っ込むんだろう…。


多くのヒット番組を作られた方だけにこの言葉は重い。でもまぁきっと作り手側の矜持、心構えとして言ったのでは推察されている方がおりました。



最近どっぷりとTV制作に関わる物として肝に命じて精進させていただきます。


録画機能に優れたレグザは業界人必須アイテムらしいです。
最近以上に見なければならない番組が増えたので一瞬購入を考えましたが、なんか負けた気がするので嫌だ...
というよりあえて「テレビを見ない」でテレビをプロデュースするとかね。




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