照明、ロケバス、土壇場でぶっ込んだ美術のみ既知、海外からの監督、プロデューサー、DP、国内からのPM、AD、キャスティングD、撮影部、スタイリストはすべて初めて。
このメンバーで臨んだ今回の”Calvin Haris 東京ロケ請け負い”。
いい感じにまとまりめちゃくちゃなスケジュールと低予算を無事乗り切りました。
私が今回やった事と言えばはみんなを集めた事と怖い人がでて来た時の対応ぐらい。
関係者の皆様本当にありがとうございます。あとはあがりが良くなる事を願うばかり。
一つの案件に対して、各スペシャリストを集めてプロジェクトを遂行。終わったら解散。傭兵混成部隊な感じはたまらなく楽しい。そこにはなれ合いも甘えもない。純粋に仕事の遂行とクオリティーの向上のみをめざす。気分はフランス外人部隊。
このあえて自分のチームをつくらない楽しさは意外とわかってもらえない。特に日本では。
(もちろん作りたいときもあるけどね...)
私は何でも屋なのでいろんな案件が持ち込まれる。撮影コーディネートだったり、企画の相談だったり、商談だったり...自分の会社で社員を雇って全ての案件を社内で対応できるようにして行くというのが多くの人が考える手法だし社長としては正しいだろう。でも内容が多岐に渡ればわたるほど当然苦手分野も出てくる訳でクオリティーの維持は難しい。そこで社内ではなく社外の人間で適材適所を配するやり方を取っています。
日本人はスペシャリストが集まってチームをつくり難事にあたっていく事が大好きです。ワンピースや009、さらには戦隊モノなんかもそう。でもこれらは基本は固定メンバーでメンツの変動があまりない。
アメリカでは単独のヒーロもののほうが多く、そういう意味では特攻野郎Aチームやチャーリーズエンジェルはわりと例外的なかんじ。たしかにこれらはカッコいいし憧れる。少年ジャンプ式の”仲間”って感じも嫌いじゃない。でもこのレベルの人材を集めて常時抱えるコストは莫大だ。
シリコンバレー辺りのベンチャーキャピタルはプロ集団を集める傭兵方式を突き詰めている。面白いアイデアを持っている人がいたら、資本提供者を始めとして、会社立ち上げに詳しい人、経理、弁護士、プロジェクトマネージャーなどが一気にそれビジネス化してくれる。つまり会社単位で仕掛けてIPOして会社ごと売っちゃうとこまでというすごい話しです。アイデアマンをヒーローとして盛り上げるプロ集団って感じでしょうか。ファンドといわれる連中も基本はこれですね。必ずゼロからみんなで立ち上げようと言う形体は日本のみならず世界中で普遍的方法だけど、上記のようなアメリカで積極的に行われているこういう手法は埋もれたアイデアを掘り出すという意味でも非常に有意義だと思う。
ま、そんな大げさな話しはともかく私としてはもうすこしゆるくOceans11みたいに必要なときに集まってもらう感じでしょうか。仕事の内容によって集めるメンツを少しづづ入れ替えながら、事にあたる。目指す所はこんな感じでしょうか。
そのためには日々のネットワーク作りが一番重要。同じ組織の中での人間関係よりも外での人間関係造りに励む方が楽しいと思えるのも大きいかも。
さらにいえば新しい人とやると新しい発見があってストレスと同量くらいの楽しさがある。予測できない面白さはかなりの刺激になります。これは完全に個人の趣味の問題ですが...そもそも飽きっぽいので同じ人とずっと一緒はツライ。
色々語って来て最後は結局自分の趣味嗜好でしたとさ。