2013年7月6日土曜日

文春WEBの安藤美姫の出産アンケート騒動


  「あなたは安藤美姫選手の出産を支持しますか?」「子育てをしながら五輪を目指すことに賛成ですか?」――週刊文春の公式サイトが2013年7月4 日、こんなアンケートを掲載した。これが、安藤選手の生き方や出産そのものを批判しているようにしか見えないとネットで「大炎上」し、アンケートは削除さ れるとともに、編集長が謝罪に追い込まれる事態になった。J−Cast


今回の一連の文春WEBの安藤美姫の出産アンケート騒動に関して、私見をまとめておこうかと思います。

空に向かって 増補版 (扶桑社文庫)


最初に聞いた時にまだ妊娠段階だと思っていたので、そんな事が気になる人がいるのかと感じたのだが、それが出産とわかって唖然とした。ネットでも散見されている意見ですが、すでに生まれている人間の是非を問うっていうのは常軌を逸している。名誉毀損ではなくて人権侵害だ。

それでも西村ヒロユキ氏のこのブログを見て少しだけなるほどと思いました。

中三の受験時に妊娠した担任を避難する書き込みを紹介し、

 
オリンピックや、自分の子供の受験などの重要性と比べたら、赤の他人の子供や人生なんかどうでもいいって考えは、男女問わず発生するようです。


世の中には、多種多様な人達がいて、考え方が偏ってる人達もいるわけです。
安藤さんが母として生きることや、娘さんが生まれただけで批判されてるのが気にならない人が、日本の中にいるという事実を知ることは意味があると思うのですよ。安藤美姫選手のアンケートの結果を見たほうが良かったと思う理由
 


2ちゃんねるはなぜ潰れないのか? (扶桑社新書)


もし文春側がここまで深く考えて確信犯的にやったのだとすれば、それはそれで一つの挟持としてすごいなと思える。盗人にも三分の利になりえたかもしれない。でもそうじゃないところがメディアとしてのレベルの低さだ。炎上したら誠意のかけらも見えない謝罪文で終わらそうとしているところがさらに情けない。

「週刊誌の作り方知ってるかい?」
「強きをけなし弱きをわらう。

勝者のアラさがしで庶民の嫉妬心をやわらげ、
敗者の弱点をついて大衆にささやかな優越感を与える。
これが日本
人の快感原則にいちばん合うんだな」
「卑しい国民だ」

(ゆうきま
さみ『機動警察パトレイバー』)
機動警察パトレイバー (1) (小学館文庫)


(ゆうきまさみ『機動警察パトレイバー』)
機動警察パトレイバー (1) (小学館文庫)
 


でもこれは日本人の快感原則ではなく人間の性だとも思ってます。米英のゴシップ記事のひどさたるや、、、


 発信する側にかぎりなく近い場所にいるものとして思うのは、
メディアのレベルはやはり民度を現しています。実際に作り手は徹底したポピュラリズムで動いている。現実問題として公平で良識あるものは売れないし、下品で下世話な ものが売れるのです。
売れるものがいいのかと言われればそれまでですが、結局は商売ですから。その結果センセーショナルな文字や過剰演出が横行する結果となる。

そしてそれは日本だけではなくメディア王マードックが
ゴシップ中心の新聞の売り上げを豪英米と三か国で一位にしてしまったことからもわかるとおり、卑しいものみたさは万国共通ものであると言えるのでは。 もちろんそうではない人も沢山いるでしょうが、、、、


何れにしても雑誌の低俗さは今に始まった事でもないでしょう。

下世話な雑誌らしく設問を「父親を知りたいか?」にすれば良かったのかもしれない。そうすればここまでは炎上しなかったでしょ。下品である事に変わりはないけれど。





で、実際に安藤さんへの出産に対して反対を唱える背景となっているのは以下の二点ではないでしょうか。



一つ目は上記で西村氏があげている女性の地位の低さ。これは結婚のみならず社会進出を含む根本的な社会問題。婚外子や同姓婚を認めて行かないと少子化は絶対に止まらないと思うんだけど、いまだかたくなに反対する人が沢山いるのはあいかわらず驚くべき事実です。選択肢を広げましょうってだけの話なのに、、、

その辺の事は以前書きましたので良ければそちらも、働かない男とできる女



二つ目は過大なスポーツ信仰。昨今のスポーツ界の不祥事をあげるまでもなくスポーツをやろうがやるまいが問題を起こす奴は問題を起こす。オリンピックへの過剰な期待も同根だ。問題を抱えた青少年の更正へのきっかけがスポーツ一番という幻想は捨てた方がいい。人によっては勉強だったりアイドルだったり漫画だったり、それこそ2チャンネルな人もいるだろう。昨日の金スマで林真理子(朝のTV勉強:金スマ波瀾万丈スペシャル「林真理子」)にとっては「風と共に去りぬ」と「読書」と語っていた。


そもそも安藤さんが父親を隠さなければならないように追い込む社会の方がよっぽどどうかと思う。少なくとも文春はアンケートを取るに足るだけの反対派がいると思った訳ですから。実際に沢山いるでしょう。


女性として生む権利はどのような条件下でも守られるべきだし、オリンピック選手としては結果がすべてで私生活なんて犯罪を犯してない限り何してたっていいだろうと思います。


良ければこちらも
 働かない男の社会的地位を認めるとオリンピックのメダルが増えるかもな話し


人の人生は違った選択の裏取り調査が出来ないから結局のところ時々の選択肢が正しいかどうかはわからない。となれば、何処かで引っかかることができるように多様性を持たせることが一番かと。選択肢が多いことこそ豊かさ。そしてこれは結婚以外に子供を産む方法の選択肢を広げる事にもつながって行く。


人生の正解値なんて人によって違う訳だから色々なチョイスができるようにして行く事でより弾力性のある強い社会や文明ができて行くと思うんですよね。こういうと大げさですが、より住みやすい、生きやすいってことですかね。


ま、父親を明かさずに二児を出産して当時それなりに物議をかもしたジョディ・フォスターが米国でのブレイクスルーになったように安藤さんがそうなることを願っています。とくに彼女は未婚のシングルマザー+同性愛という二重、三重の意味でブレイクスルーをしたと思います。


頑張れ‼ ミキティ!!!
(程々ににね、、、)


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