最近話題の北川智子さん「ハーバード白熱日本史教室」 を旅行中に読みました。
私は偶然成田空港の本屋さんで見つけて購入しましたが、けっこう各紙で取り上げられています。
北川智子さん「ハーバード白熱日本史教室」(産経ニュース8/6)
初の著作『ハーバード白熱日本史教室』(新潮新書)を刊行した北川智子さん(32)は、世界屈指の名門校、米ハーバード大で講師として3年にわたり受け 持った授業をこう振り返る。中世の日本にタイムスリップするような楽しさが評判になり、16人から始まった授業は200人以上が受講するようになったとい う。著書では、異国の地で学生を引きつける授業の様子がつづられる。(産経ニュース)外国人で女性でアジア人で29歳でハーバード教授!彼女の授業は本当に面白そう。
ハーバード白熱教室のマイケルサンデル氏などで有名になった、アクティブラーニングの手法をふんだんに取り入れ、タイムトラベルといわれる独特の手法で大人気となっています。
非常に興味深い、楽しい、それでいて難しいとても面白い手法なので詳細は是非本書を。
キューと呼ばれる学生がつける先生の通知表をハーバードではWeb上に公開しています。
女史はここで初年度から三年連続でティーチングアワードを受賞。さらには約2千人の教授や講師らから学生から人気講師に贈る「フェイバリット・プロフェッサー」(選ばれた人は学生アルバムに写真とコメント付きで載ることが出来る)にも選ばれています。
彼女が卒業アルバムへののせた卒業生への言葉
NO PROOF NEEDED;
YOUR POSSIBILITIES ARE
海外ではとにかくSAMURAI、NINJAのイメージが先行しすぎいているので彼女のようにある程度は正しい歴史観を伝える人が出て来たことは素晴らしい。つい先日もローマで女体盛りがさも日本の文化のようにイタリア紙で紹介されて日本大使館が抗議をするという騒動になっています。文化が外に伝播する過程で多少歪んでしまうのはしょうがないとは思いますが、、、さすがにこういうのが出てくるとどうなんでしょうね。本書にも出てきますが、海外では哀しいことに割と日本文化の一つとして認識されています。
ローマで「女体盛り」騒動 日本料理店、全国紙に登場
それにしてもこの女体盛りはどこから来たんでしょう。有名なのは古いとこではライジングサン、最近では人気ドラマSEX&THE CITYやCSIですこれらもネタ元(STCは多分ライジングサン)があったはず。ライジングサンの原作者マイケルクライトンはかのジュラシックパークやERの原作者で猛烈なリサーチで有名です。おそらくB級やくざ映画辺りで出て来ていたものを彼が見つけて取り上げて有名になったような気がする。(完全に憶測です)
彼女が最初に取ったハーバードでの日本史の授業はSAMURAIの話しばかり、楠木正成、義経と弁慶、戦国武将、明治の志士、教材は大河ドラマや水戸黄門はてはあやしい西洋侍パロディ映画等等...これではまさに講談レベルですよね。フランスやスイスに興味を持つ人がベルサイユのバラやハイジで勉強するようなもんです。ま、これはこれで本国でも人気が出てしまうから時代考証からなにからかっちりできているのであまり比較にはならないか。天下のハーバードでこれですからあとは推して知るべしですね。
とにかく海外から日本を紹介する人に比べて日本を海外に紹介している人は少ないので、アメリカの最先端の一つハーバードで実践されていることは嬉しい限りです。
本書からだけでは女史の歴史観"LadySamurai"がイマヒトツよくわかりませんでした。秀吉の本妻であるネネを取り上げてペアルーラートし ての存在感を説明しているのですが、ちょっとピンと来ません。もちろんネネが果たした役割が大きいことは事実だと思います。ただ日本史のなかで女性が果た した役割を多角的に検証することはあまり行われていなかったのも事実なので、楽しみではあります。女史の学術書の発行を待ちつつも論文を英語でもいいから読んでみたい。
ハーバード白熱日本史教室 (新潮新書)
断固応援します!
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