2011年12月28日水曜日

自炊代行業者裁判


 自炊とは本を裁断してスキャンする事です。この度自炊代行業者を相手取って作家の方々が裁判を起こしました。
東野圭吾さんら作家7名がスキャン代行業者2社を提訴


これに端を発してネット上では議論が活発化しております。
「ブラよろ」対「もしドラ」の自炊代行論争ヒートUP


ブラックジャックによろしくの佐藤さんのブログ。
佐藤秀峰の日記『自炊代行について。』
”「作家は自分たちの権利のことばかりを考えて、読者(お客さん)のことを考えていないように思います」”
これはこれで若干極端です。



”もしドラ”作家の岩崎夏美さんのブログです。
ハックルベリーに会いにいく
”作家が自由に何でも書いていいわけでないのはもちろんですが、読者だってそれを自由に楽しんではいけないのです。”
下の大西さんのブログを読むまでもなく突っ込みどころが満載です。


大西宏氏のBloggerでの記事は秀逸です。
もしも「もしドラ」の作家がもうすこしドラッカーを読んでいたら
”マーケティングの大家、レビットの有名な一節、「4インチのドリルが売れたのは、顧客がドリルを求めていたからではなく、4インチの穴を求めていたからだ」にも通じるところです。まさか紙の束を作家は売っているつもりなのでしょうか。”(本文より抜粋)


 私はこの言葉につきると思います。読み方や売り方は受け手が選ぶべき事だと思うのです。本で売りつづけたい人は売り続ければいいと思うし、電子書籍がよいなら電子化すればいい、それを権利を主張して阻害するのはどうかと思う。なぜ自炊代行なんて商売が出てきたかを考えれば答えははっきりしていると思うんですけどね。


 結局はコンテンツそのものが問題であとは全てメディア(媒体)でしかないのに。書籍やマンガを読みたい人は絶対になくならない。創作者や編集(纂)する企業が存続し続けられようにお金が回る仕組みは考えなければいけないとは思いますが、媒体形式で揉めているのはどうみても既得権益の取り合いにしか見えない。


 一昔前にレコードからCDそしてレンタル屋、NapStar、Ituneなど、多くの論争を通り抜け今や壊滅状態となりつつある音楽業界ですらAKBのように(例外的かもしれませんが)爆発的なヒットをたたき出せているのです。つまるところは売り方の戦略を含めたコンテンツそのもののクオリティーが全てだと思います。

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