2012年2月13日月曜日

「ブラックジャック創作秘話」を読んで

先日からマンガ大賞についてつぶやいたり写真をアップしたりしてるのになぜか、まったくそちらにはノミネートされていないマンガです。そのかわりにこのマンガがすごい! 2012」オトコ編の第一位です。
"ブラック・ジャック創作秘話~手塚治虫の仕事場から~ (少年チャンピオン・コミックス・エクストラ)”です。



私自身、手塚ファンですが、はっきり言ってそう言うのが若干はばかられます。なんせ膨大な著書と関連本があるお方です。例えば講談社で出ている全集は全400巻。つまりこの全集を一日一冊読んでも一年で終わらない。そこからすれば50冊ほど所有している程度の私なんぞコアユーザからみたら鼻で笑われてしまいます。


本書の内容は手塚先生の名作「ブラックジャック」が作られた頃に話しを絞ってマンガ化されています。当時の編集者、アシスタント(これがすごい!)達が語る壮絶な偉人の裏話です。結論から言うと完全に話しのすごさに本作品は負けています。それが原作(宮崎克)、漫画(吉本浩二)どちらが原因なのかはお二方の別作品を読んだ事がないのでちょっとわかりません。


とにかくベースになっている手塚さんのエピソードもすごいしインタビューされている編集者の話しも面白い、アシスタント陣なんて、小谷慶一(テニスボーイ)、寺沢武一(コブラ)、三浦みつる(The・かぼちゃワイン)と錚々たる顔ぶれ、最終話にいたっては永井豪まで登場!つまりもうネタ元と取材が面白すぎるくらいに面白いのにしっかり描ききれていない。もっと筆力、画力ともに高い人ならもっともっと良かったはずと思ってしまった。若干消化不良で残念...。


とはいえ、上述しているように素材そのものが良いので内容自体は悪くないどころかそこそこ以上には楽しめます。とにかく手塚先生の生き様や破天荒な天才ぶりがすさまじい。
一話に付き3案考えるとか、揺れる飛行機の中で
墨汁を使って描いたとか、一日半で55ページとか等々...


ブラックジャック連載開始時は虫プロの倒産時と重なっており、かなりの逆境時代。その中でこの連載をきっかけに復活してくる軌跡にはやはり感銘を受けずにはおれません。ジョブスもそうですが結果から見ていると、天才は花道を順風漫歩に進んできたように見えますが、その過程では理解されなくて苦境があったんだなぁと改めて感じさせてくれる作品でした。


だからこそ余計に残念なんですよね...。










「このマンガがスゴイ2012」
「マンガ大賞」と半分くらいしかかぶらないんですよね。そこがまた良いとも言える。アメリカにいる事は発表になるためにうずうずしていました。







改めてブラックジャックを読みたくなったので全巻まとめ買い予定となりました。

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