2011年11月21日月曜日

生意気にも石川県についてまじめに語ってみる2

  前回はまるでインチキ英会話学校のWEB広告のような終わり方をしてしまいましたが、答えは沖縄県です。05年から10年の五年で3万人増です。ちなみに同時期で石川県は5万人減っています。 沖縄以外で増えているのは元々人口数上位の東京、神奈川、大阪、愛知、埼玉、千葉、福岡、あとは見事に人口減です。並んでいる県を見れば三大都市圏への集中、特に関東への集中の度合いが手に取るようにわかります。東京だけでなんと60万人も!海外からの流入組もいるとはいえ出生率が全国最低なことを考えるとまさに東京が吸い上げてる感じですよね。 都道府県の人口一覧


 首都圏ではない沖縄県が伸びている理由は単純に一つは他県と比べて圧倒的に高い出生率(ちょっと古いデータですが)。もうひとつは県外からの移住者が多いということです。失業率は例年ダントツ一位。ここ10年常時7%越えで全国平均4%強と比べても高水準にも関わらずです。
 沖縄の人口が増えているのは極論してしまえば結局は住みたいとか、産みたいと思える環境だからだと思うんです。つまり観光客を誘致するのではなく、もちろんそれも地場産業の育成に必要ではありますが、なによりも県民が住みやすい環境を作ってあげる事だと思うんです。沖縄県が主体的に何をどのくらいやっているのかはネットで調べただけではわかりませんでしたが、考えられるのは圧倒的に暖かいという天候という気候風土。かつての琉球的な異国感でしょうか。実は行った事がないので全て推測です。では天候の利がない県はどうすれば良いのか?首都圏的構造を目指していく事は現実的ではなさ過ぎるのでこの際除外します。


 それは高齢者の誘致です。石川県だけではなくて、岩手県、宮城県の方々と話した時もみなさん若者が減った、若者を呼び戻すにはどうすればいいのかなどと言った相談を沢山受けました。でも少子高齢化で若者人口がそもそも少ないうえに一般的な若者はお金を持っていません。職もなくお金もない若者が町にあふれてもできることはニートになるか犯罪に走るかだけです。そんな若者リソースを取り合うよりも、年金生活者を呼ぶ施策をどんどんするべきだと思うのです。仕事をすぐには探す必要がないであろうこれらの人たちが増えれば必然的に仕事は増えてきます。結果としてその周りを囲む形で若年層の定住者も増えてくるでしょう。


 沖縄県でも県外からは定年後をはじめ早期リタイヤ、プチリタイヤ組が数多く移住しています。もう一つのポイントは教育に力を入れているため東京との二重生活をされている方も結構いる点です。私の友人でも長野への移住(二重生活)を決めた方がおります。都会暮らしに嫌気がさした彼が長野を選んだ理由は教育レベルの高さです。


 高齢者優遇賃貸物件、バリアフリー環境の推進に加え、教育の充実などが結局は人を呼び込む原動力となっていくのではないでしょうか。それらに加えもう一つは以前”ななお”の男女共同参画都市宣言なるもの でも書きましたが、女性の頭脳を積極的に取り込むようにして他県との差別化を図っていくのも良いのでは思いました。教育の充実とも連動しますが、0歳保育や24時間保育、産休/育休充実などぶっちゃけ子供自体は減っているので子供一人当たりに掛けられる予算はむしろ増えているはずなんです。

 ”高齢者が住みやすくて教育が充実した町づくり”これって考えてみれば当たり前の事なんですよね。真理とは当たり前のところにあり、当たり前のことが当たり前に出来ないこともこれまた真理(by私)



 石川県ならではの伝統工芸教室、小規模農業、産地直送で食べられる食事などくるべき条件は沢山あるんです。都会に疲れた人が行きたい場所はエセ都会じゃない。能登半島にはマックが一軒しかないと聞きました。なんと素晴らしい!ファーストフードもファミレスも全く必要ない。いっその事大型店、チェーン店禁止エリアを作ってもいいくらい。画一的な同じものを見たくて移住する人は少ないので、如何に都会と違うものを出せるかのほうが重要です。東京にあるものはいらないくらい振り切ったら面白いと思うんですけどね。でもきっと地元の人にしてみればそう言う訳にも行かないとは思いますが...。


 ここまで振り切った話しはしていませんが、市役所や県庁の方々にこのような話しをしたところとても興味深そうに聞いてくれました。本当にありがとうございます。私のように専門家でもない他県の人間の話しを真剣に聞いてくれるこの姿勢はやはり県の宝だと思います。そしてまた能登の土、石川の土を愛し地元を離れずがんばられている方々の想いも同じく尊いものです。
 
 ボランティアや炊き出しで311の被災地に足を運ぶたびに、多くの事が被災地だけではなく日本全体の問題であるとあらゆる場面で感じました。そして今回被災地ではない日本の地方とじっくり向き合ってみてその想いを新たにしました。日本を離れアメリカに住んでいた事で日本に住みつづけていた人には見えにくいものが見える場合があります。そんな視点が少しでも役に立てればと日々考えております。元気な地方が結局は東京を元気にする、さらには日本を元気にできる。そして元気な日本は世界を元気にできると信じています。やれる事からやっていきましょう。 



生意気にも石川県についてまじめに語ってみる 補足



*データーはなるべく一次データーにあたるようにしておりますが、古い、間違っている等がご指摘頂ければ幸いです。分析に関しましても筆者の個人的主観に 基づいて書かれておりますので内容の不備、間違い、思い込み等は笑って許していただけるようお願い致します。また、この文章はいかなる個人、団体、組織を 中傷する目的では書かれておりませんことも併せてご理解いただければ幸いです。*




生意気にも石川県についてまじめに語ってみる1

能登半島/石川県七尾の旅 その一











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